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ENGINE EYE 阿部嘉昭のブログ

自転

 
 
【自転】
 
 
ことしもこのてのひらに
桃をのせる日がくるだろうか
 
からだと物とのささいな配合で
思いそのものがめぐりめぐり
汁気をましたすこしのかたむきと
あまみをくわえたすこしのうれいで
 
てのひらはおろかわたしぜんぶが
桃ひとつ生るはしごとして
実のみ宙にささげあげることを
日のうしろは穴をかがやかせ
おしだしてくれるだろうか
 
ああ、桃の自転のそのまわりで
霊の果肉がふくらんでゆくときに
 
 

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2019年02月18日 日記 トラックバック(0) コメント(0)

ハレルヤ

 
 
【ハレルヤ】
 
 
いつでもじぶんのまぢかを
ひっきょう自分がつくっているとおもうと
おこないにつつまれている気がして
おとのように敬虔になってしまう
 
そこへうつくしいひとをひきいれる
おとが減ってゆくんだといいつつ
したしみのなかにことなりをおさめると
うつくしいハレルヤも泪ながらちぢみ
このくびのほとけをみあげていたりする
 
それで行列がみえたか
ディアスキンをこまらすほどの
去年しんだこまかいものが
 
ほんとうはまぢかに珠玉をいれたい
まだおんなとして弾かれるだけきみは
ながいくびよりもぜんしんがかるく
どこかへゆくための支度にさえなれない
 
 

2019年02月12日 日記 トラックバック(0) コメント(0)

石作

 
 
【石作】
 
 
天のすそがゆらめいていれば
ひとみから手をのばして下ろしにかかり
はては世界の脱衣という仕儀までも
ひそかにかんがえてしまうものだ
 
りんかくのない混色にうまれついた
なにかうごいたあとの風にすぎなかった
途中のようなところ、いわば踊り場で
月暈となり寝とまりをくりかえすと
 
ぬがすというのも雲がねがえりをうち
つぎつぎに橋が炎えて街がおち
みることが裏になってゆくにひとしい
 
みつめあっているときのあの無限を
みつめあえないもののどこにもとめるか
 
顔なきはだかの発する問とはそれだった
まはだかにさせてもその身は羽衣をまとい
まわりをめぐらせるだけの、月人だった
 
 

2019年02月06日 日記 トラックバック(0) コメント(0)

ゆげ

 
 
【ゆげ】
 
 
くりかえすよのなかで
うつくしいもののひとつが
ゆげかもしれない
 
かたちのなさがその形で
だとすればひろがりきえることも
もとの液体からはなれ
色をうしなってうまれるのも
ゆれていることさえ
すべて後悔とみえるから
 
よのなかのとおい花のめぐりにまで
ゆげをかんじてしまうとおもう
死にたがっているそのひとが水にふれれば
たちまちけむりにつつまれるようだが
もちろんなにももえていないのだ
 
まなこをみればわかる
ひとのやわらかさとはちがうゆげが
ただあなたとなって一刻
あなたの場所から立ちのぼる
 
 

2019年01月22日 日記 トラックバック(0) コメント(0)

山麓通り

 
 
【山麓通り】
 
 
塔をみつめればことばも
たかく立とうとするのかもしれないが
うちがわへ折れたがって
 
まがっているをあるいた
 
ああ、よこたわるひとをみると
動悸するのはなぜか
死んでいると錯覚するよりさきに
いとしい横臥がみずたまりとおもえる
つきあいの発端もあったはずで
 
ひとのからだに空の映ったおもいでが
むかしからの寝床でぬれている
 
材のかさなりが水平線とみえる
ひとつの角度は
青に病んで、といえばいいのか
 
むかうことが喘鳴している
 
 

2019年01月07日 日記 トラックバック(0) コメント(0)