fc2ブログ

ENGINE EYE 阿部嘉昭のブログ

詩集

 
 
【詩集】
 
 
ゆうがたにえらぶ
ぬのにかくれたなまえを
もどって、そのひとをよむ
 
行を追えばかわるときがあり
みえかくれするかおも
いっときのあかし
なきましたか、どうですか
 
おのれではないもので
うしろがみちていて
みえるのはただ先頭のみ
 
これまたうらがなしい
舟のさだめみたいに
 
 

スポンサーサイト



2023年11月24日 日記 トラックバック(0) コメント(0)

遅愛

 
 
【遅愛】
 
 
やがてそらからのもので
あつみだらけとなり
情さえうすくにごるのに
 
ながめるともなくいて
あらずともなくさらにいて
 
とおくまでたどろうとし
ちいささのこのなかで
みずからをかきいだくよう
あゆみをゆっくりさせる
 
あいしかたをまなんだのだ
速愛にたいする遅愛も
もはらからだのめぐりから
 
 

2023年11月20日 日記 トラックバック(0) コメント(0)

陸続

 
 
【陸続】
 
 
あるきに枯葉がまといつき
あしがなくなってゆく
 
なにをもってみずからを
ふたえにするかで
とおくのぞむまなこもある
 
ふる、とつぶやく
ひとしなみに地表へ
おうごんがもられるので
このよるもさかずきなのだろう
 
べつのなにかは去った
わたしならひとのつづきを
ゆるがすものにすぎない
 
 

2023年11月01日 日記 トラックバック(0) コメント(0)

他生

 
 
【他生】
 
 
ふちのまるさに
このよのにわをさげ
めぐってゆく椀がある
 
うまざけがきいろく透き
ゆめをゆれている
 
まるさはひとの不足をいう
だからこそのみくだしに
なみだのあじがするが
天上もうつっている
 
のどには他生をとおす
面前ことごとくおぼつかず
衆がまっとうされる
 
 

2023年10月18日 日記 トラックバック(0) コメント(0)

交換

 
 
【交換】
 
 
よながのけはいが
ねどこにまでふかいりし
籠と似たひとはきぜつする
 
うちがそとへおよび
ねすがたもたわむ
りんかくは流星をはなち
いえぬちがてらされる
 
詩行ごとの陰陽のように
ひとはつづいてゆく
あるべくあまれたのだ
 
しずくはもうないが
こうかんがいまだあって
 
 

2023年10月16日 日記 トラックバック(0) コメント(0)