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ENGINE EYE 阿部嘉昭のブログ

夜景

 
 
【夜景】
 
 
ゆうぞらを捕ろうと投網をひろげ
気にながれている斜めの質を
すうせんでくだりおりてはあかし
うつりとひるがえりをにせてみせる
 
かげなすむくどりのおおきむれが
もとの椋を欠く痛みをひろげた
数のあらわれはあらわれたとたん
すでにして虚数やごみなどをふくみ
しんでいるすらとんでいたのだ
 
しねば数にくわえられるとみえて
二乗しないとなまえもいわれないし
ふけつさゆえにやむのも恥しいことだ
 
ろうぜきをつくし飛沫ちらして
ひろばはまだあると燥ぐよふけは
うるさいか、否、くろいだけだろう
じぶんへと王冠のとどくことが
のうてんを髪をつめたくしている
かれらむくどりだ、さみしくもまた
 
 

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2020年03月29日 日記 トラックバック(0) コメント(0)

物見

 
 
【物見】
 
 
おもなものはすごもりではなく
さくら、ひととよばれており
おとないひとつなくして
日の風にはさらせなかった
 
それが延期のように魔物めき
ふくらみつくすのもこわかった
 
たずねあってなだめうる
たれしれぬ一角があるのだ
マスクはそれぞれのわたしにつげた
仮面にこそおとずれるようにと
 
手の揮発をみがくひとをくりかえし
すけてしまった手もむすばず
ならんでみあげることだけ
これほどにしたものみはなく
時差でしねるような気がしたが
上と下あるゆえの聯想だろう
 
あまのいわふねからはじまったのだから
まんかいのひろがりに碇泊をおもい
とどまっているさだめをながめる
その残像で、ゆさんをしつくす
 
 

2020年03月24日 日記 トラックバック(0) コメント(0)

飛沫

 
 
【飛沫】
 
 
天のゆうがおのもと
いしだたみのとおくを
ゆうれいがあるくのをみなでみた
 
ばるこんからみなでみながら
まどごとにわかれだち
くるった祝婚をうたいあげた
だっていまわしいものにさえも
王冠あるふかしぎが詩ではないか
 
あの二重の、あのかすれは
もとはさみしいつみとがだった
はいることとにじむことが
そくざにも似てしまったのだろう
 
集合アパートたるゆえんは
まむかいからみたまどの乱立
それらが図形をしていると
ひとごとのオペラがつたえあい
くれなずむふきあげとなる
 
とてもちいさくなった水のつぶが
その最小によりくろくきらめき
点から点へちからをまとう
うたごえの喉はまなこだからみている
からだがひろく裂けたそこで
くずれさせる舌のおのれをみている
 
 

2020年03月17日 日記 トラックバック(0) コメント(0)

単位

 
 
【単位】
 
 
ゆるやかに愛がきんじられた
足のうちがわをぶつけあう
あやうく組手にもなりそうな
あいさつがこれからの単位なのだ
 
はなれあってたつべしといわれ
ならぶとちがうかたちになる
ならぶがもうわからなくさえなる
最後尾がむしろ先頭という
そんな法則がきのうあったのに
 
みあげてつくるひろがりも
すきまだらけにかわってゆく
聖なる図柄とはこれではないか
かぞえれば川と似るかもしれない
 
ポー川のはなしをしたなら
あどりあのうみへゆきつくのが
くちびるのとしつきなので
じかんどうしがとけるように
いたりあのじんるいはつづいた
くちづけではなかったはずだ
 
こかったのにさみしかったもの
単位がそうではなくなると
出生にかかわらぬすきまが、そこ
ぼんやりとあかりだしている
 
 

2020年03月13日 日記 トラックバック(0) コメント(0)

休閑

 
 
【休閑】
 
 
うすずみのようにうごいて
文字でないけはいが
戸口から戸口へながれた
 
かぼそい橋をふとくこえる
でみずをものらへつげにきた
はるでもある、いきおいは
うすずみもてひがしではじまる
 
こもりつくしてみごもる鬱
老いを懲するこうした乱麻は
しぐさまでようなきものにするが
 
手首からまず息をぬきだして
はだかのこずえこずえに
ゆきげをのぞむひとみをすかす
ほどかれたからだの墨汁は
それでもかたむく身をけすよう
おのれへかえらねばならない
 
いたりあにくるしみをおぼえる
かつてはそこで黒シャツをまとった
 
やがて眼路にあふれた枝垂れを
なみだであらいきよめ映しなおす
みてに掃かれぬ、この休閑のなかに
 
 

2020年03月11日 日記 トラックバック(0) コメント(0)