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ENGINE EYE 阿部嘉昭のブログ

それら

 
 
【それら】
 
 
よりかなしみがますように
どうぶつのすがたはかわってゆき
厚真犬などがそのきわみとして
造型のもんだいをけぶらせる
 
それらはすこしかなたにいて
たとえばきたないトラ毛が
なんの二元なのかをつきつける
 
すでにせかいがそうなっているが
これをからだにきざむざんこくなど
からだにゆるされていないはずだ
けれど詞と歌のかんけいに似て
そとみがあらわれになぞかけをする
 
とおりぬけるものは文身さながら
可視のつかれをもつと問わずがたり
 
むしろすがたをけすやさしさが
すがたじたいになるとも敷衍して
それらはたがいにひろがってみせた
 
 

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2019年06月18日 日記 トラックバック(0) コメント(0)

欠ける

 
 
【欠ける】
 
 
目的格を狂わせねばならない
枯れたあやめ並べた寝床で
きみをねむる、というように
 
百日はこえるだろう身熱の
はじめに萎れを置けば
とおくからやってくるものも
すでにわたしにあったはず
 
ただそんざいをしんずるため
すがたをおがむのではなく
 
そのものの体内感になることで
ときをたゆたっていた静けさまで
ひととわたしの包みにかわる
 
このあたりではほぼ蟬が鳴かない
翅の絵をかく日に起きだそうとして
ひかりを透けたふくろとみれば
すがたの欠けた半鳥も野にあふれ
 
くちずさむ身すらきみをねむる
 
 

2019年06月14日 日記 トラックバック(0) コメント(0)

かけら世の

 
 
【かけら世の】
 
 
やがて負うこととなる死因が
ひとを生誕よりさだめして
 
いまわはとおい貝のあわせだ
 
めつむってこそなみだぶくろも
苦をおさえかえす部位だったのに
 
かおにうまれるきしへ
いってみたいまなざしが
おもいのたまゆらとちりはてて
 
はじめに火葬をおぼえた貴女持統は
 
きらきら骨灰を壺にひびかせ
いかなるおんぎょくなのか
とうとう冥くなってゆく
 
かけら世の、貝からはなれて
 
 

2019年06月08日 日記 トラックバック(0) コメント(0)

宿駅

 
 
【宿駅】
 
 
はじまりとうけるか
おわりととるかで
いつも駅はかおをかえた
 
レールのあるなしにかかわらず
しずかな駅を眼路おくにみて
 
使役馬のつなぎどころや
ふるびた跨線橋などで
せかいの中途が成るのを
かたじけなくかんじた
 
ひとひとりではなく
ゆくひとどうしが旅客なのも
あじさいのひかりやゆれのこと
 
いっさんにとりどりのみずを
のせてかえすなどもできず
まぼろしの歩廊は壜のかたちに
これからさきをながしていて
 
あてびとおとずれぬ宿駅の
こころげしきがいたくにじむ
 
 

2019年06月07日 日記 トラックバック(0) コメント(0)

あかいかげ

 
 
【あかいかげ】
 
 
緋のころも、朱のころも
その色ばかりゆきかった森を
なんのうたげだったか
いまはもう悔いるのみだ
 
布のあまりあるしぐさは
おごそかにもえあがるから
 
ひとらは詩篇をみずにひたし
みずからだけの見おろしで
こえとせずなげいていたのだ
 
おとの炎上でこころがみちれば
からだもすでにみずべといわれる
あかい長衣がこころをかくし
ゆきかいはみずのごとくあわさる
 
樺のむこうにあかいかげあまた
世のおわりにて朱はきませり
 
 

2019年06月04日 日記 トラックバック(0) コメント(0)