ENGINE EYE 阿部嘉昭のブログ

メモ97

 
 
97
 
すぎた日は俗耳をこめかみ下にたて
ここがふるい器官だとつたえると
みることのないあながあたまにあり
ふるえだけをしろうとしているし
それもしろあやめのさだめとかえされ
ひかりまとうくずれでなおも耳殻を
わたがしのようにながすわたくし
 
 

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2018年06月19日 日記 トラックバック(0) コメント(0)

メモ96

 
 
96
 
朝ぶろのあとにうつくしく湯ざめして
からだにある真珠をくもらせている
事後はことばだ、寡言をまもるための
 
 

2018年06月18日 日記 トラックバック(0) コメント(0)

メモ95

 
 
95
 
べつのすがたかおになるのがいやで
あたまを天にうずめるのもいやで
でるときには帽子をかぶらなかった
やまふじのころのかぜのかおり
けれどおなじさにこだわりもなく
こだちのなかでは髪へ羽根をつけて
かわやでないことにうっとりした
 
 

2018年06月17日 日記 トラックバック(0) コメント(0)

メモ94

 
 
94
 
とりかごをかなでるようにふとみえる
たてごとはだきごこちがうまく添い
瑞鳥ながれやまぬいくつものかなたに
まどおくふかいなにものかをおいて
ないことのあいださえ糸竹でひからす
 
 

2018年06月16日 日記 トラックバック(0) コメント(0)

メモ93

 
 
93
 
途中は恥しいので消滅後をみてくれ
ふるびた始祖鳥にそうつげられて
思いそのものをとおくおもいながら
まなざしはそらの奈落をくだった
 
 

2018年06月15日 日記 トラックバック(0) コメント(0)

メモ92

 
 
92
 
天へときえたロンドの跡地には
むすめらの靴がおおくのこり
墓原さながらあれはてているが
しろみがかりぼやけた雨足が
おのれの幽玄を靴に容れて
さみしくまわろうともしている
 
 

2018年06月13日 日記 トラックバック(0) コメント(0)

メモ91

 
 
91
 
クセのようなものだが空咳をすると
しきつめられた灰が林野をはねて
する者と聴く者そんなふたりにふえ
はるかという域にさえいるのだと
泉下がのみどをあかるく超えいでる
 
 

2018年06月12日 日記 トラックバック(0) コメント(0)

メモ90

 
 
90
 
じさつするタイプのイヌかもしれない
つかれとうれい、その度合がすぎて
ほとりにちかづくとはおそれがうまれ
恐水もひとつの形而上学とわかる
あめがふりだすとみんなあめのむこう
 
 

2018年06月11日 日記 トラックバック(0) コメント(0)

恋する人間

 
 
去年の北大文学研究科主催の、社会人に向けた全9回の公開講座「恋する人間」が、高校生にもわかる口語体講演原稿集として、一本になりました。鈴木幸人編『恋する人間』、北海道大学出版会、2600円+税。阿部は9人の演者のトップバッターとして、トッド・ヘインズ監督の傑作映画『キャロル』を対象に、「恋する顔」の諸属性をとりわけ視覚的に分析しています。口語体でわかりやすいし、恋を論じることでそのまま読者も恋に陥るような生成が起こります。阿部の書く映画評論では最もラヴリーなものと一部で評判。阿部自身がレズビアンに文学的なあこがれをもつからかな。文献提示もわれながら華麗。「顔の哲学」へと拉致されてゆきます。ご一読いただければさいわいです
 
 

2018年06月08日 日記 トラックバック(0) コメント(0)

メモ89

 
 
89
 
したしさがまもられみまかったとはいえ
ながらくあいさえしなかったのだから
とむらわれるかたみの不通がいたくあり
まぐのりあとおく夜目の葉すべても
はんげつのなりにひっそりと咲いていた
 
 

2018年06月07日 日記 トラックバック(0) コメント(0)

メモ88

 
 
88
 
はなれてさえいるルピナスときりたっぷを
ともにかたろうとするなら双方ではなく
むしろ同時性のもつ肉のゆれというべきを
あいだあいだのまことのとまどいとして
くちでしずませひからせなければならない
 
 

2018年06月06日 日記 トラックバック(0) コメント(0)

メモ87

 
 
87
 
自転車がもしあたえられたなら
はしりながらする休息と夜に
あおみがかる肺をおおきくさせ
すぎさるまちまちのさかいへ
ところのほうぼうをひるがえして
まわることのすべてで泣かせる
 
 

2018年06月05日 日記 トラックバック(0) コメント(0)

メモ86

 
 
86
 
うごきを停めているうつくしさが
水晶にひそむとかんじることがあり
槌で割りだすときに映画が起こる
ふたたびうごきだしたなにかはぬれ
よしんばことばでもかねごとだし
人面牛身、くだんのばけものだった
 
 

2018年06月04日 日記 トラックバック(0) コメント(0)

メモ85

 
 
85
 
三点をきめればまんなかを爆破できる
そんな流儀で二兎をしとめてきたのだが
いつの旅もかずの魔にたぶらかされる
ゆめごこちのそぞろあるきだったと
ひとつ三兎を世にあまらせてくるしむ
 
 

2018年06月02日 日記 トラックバック(0) コメント(0)

メモ84

 
 
84
 
斬りとばされて生首のみおろすのが
あしたのなかのきのうなのだから
だきよせる時の間もえだわかれして
相手以前の塩のはしらまでめでる
 
 

2018年06月01日 日記 トラックバック(0) コメント(0)