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ENGINE EYE 阿部嘉昭のブログ

なきもののゆれ

 
 
【なきもののゆれ】
 
 
よみだす詩集を
手もとに立てたりせず
それでもそれを柱とするため
身がまえをかんがえることから
息のありかたをはじめる
 
それはうつわかもしれない
きんいろのほそいふち
そこへくちびるをよせるように
こころなどちぢめてゆくと
 
紙のなかにいる者が
なぜこれほどしたしいのか
なぜ点在がこれほど世界なのかと
きれいな鼓動が紙をうち
ときのうちがわがひらいてゆく
 
いろいろなすきまに
すでに終わったあさが
やわらかくただようから
ひとの足し算さえ了えたのだろう
 
わらっておさめようとする
この肩のうえで
なきもののゆれがかさなる
 
 

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2018年12月21日 日記 トラックバック(0) コメント(0)

メモ160

 
 
160
 
ひみつめく手のひらが
うちがわを作りあげ
ゆびはとがってうごき
おのれのまぼろしを裂く
妓の手踊りがおこなう
過去あることのなやましさ
きそわれた姸がおとろえ
やがてそこへ雪がふる
 
 

2018年12月17日 日記 トラックバック(0) コメント(0)

メモ159

 
 
159
 
本土のくちなわをあがなったが
いろくずだけをながめるものにした
水に放てば素早く移るだろうが
なまなましいスローモーションを
ふる雪にもとおくおぼえるため
輪のくずれたそのかたちが要った
 
 

2018年12月14日 日記 トラックバック(0) コメント(0)

メモ158

 
 
158
 
ながれおもる川にゆきどまって
みえたものがじぶんだとおもった
たたずめばそこがみぎわだから
よってむかうことをふかめる梁で
からだの屋根をしろくまかせる
 
 

2018年12月07日 日記 トラックバック(0) コメント(0)