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ENGINE EYE 阿部嘉昭のブログ

ふたつ

 
 
【ふたつ】
 
 
世にふたつあるものは
それだけでしずかにならびたつ
かたほうはのぼりにつかわれ
のこりはくだりをまかせられる
 
いきるとは天族たちの舞いで
いのちふたつのふたばにすぎない
ともに寝てやがてきえる同一の
ゆきてかえるなかをいただきがあり
うごきは中途でささえられて
 
もしひだり目がうわのそらをみたなら
右目はみなそこをみずにはいない
こどもが奥行になっているせかいの
あわい二本のけむりになるまで
かぎりなく双は無双をよびこんで
 
あのふかくのさきには
おおきなへびの対もしずむ
 
 

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2019年02月27日 日記 トラックバック(0) コメント(0)

自転

 
 
【自転】
 
 
ことしもこのてのひらに
桃をのせる日がくるだろうか
 
からだと物とのささいな配合で
思いそのものがめぐりめぐり
汁気をましたすこしのかたむきと
あまみをくわえたすこしのうれいで
 
てのひらはおろかわたしぜんぶが
桃ひとつ生るはしごとして
実のみ宙にささげあげることを
日のうしろは穴をかがやかせ
おしだしてくれるだろうか
 
ああ、桃の自転のそのまわりで
霊の果肉がふくらんでゆくときに
 
 

2019年02月18日 日記 トラックバック(0) コメント(0)

ハレルヤ

 
 
【ハレルヤ】
 
 
いつでもじぶんのまぢかを
ひっきょう自分がつくっているとおもうと
おこないにつつまれている気がして
おとのように敬虔になってしまう
 
そこへうつくしいひとをひきいれる
おとが減ってゆくんだといいつつ
したしみのなかにことなりをおさめると
うつくしいハレルヤも泪ながらちぢみ
このくびのほとけをみあげていたりする
 
それで行列がみえたか
ディアスキンをこまらすほどの
去年しんだこまかいものが
 
ほんとうはまぢかに珠玉をいれたい
まだおんなとして弾かれるだけきみは
ながいくびよりもぜんしんがかるく
どこかへゆくための支度にさえなれない
 
 

2019年02月12日 日記 トラックバック(0) コメント(0)

石作

 
 
【石作】
 
 
天のすそがゆらめいていれば
ひとみから手をのばして下ろしにかかり
はては世界の脱衣という仕儀までも
ひそかにかんがえてしまうものだ
 
りんかくのない混色にうまれついた
なにかうごいたあとの風にすぎなかった
途中のようなところ、いわば踊り場で
月暈となり寝とまりをくりかえすと
 
ぬがすというのも雲がねがえりをうち
つぎつぎに橋が炎えて街がおち
みることが裏になってゆくにひとしい
 
みつめあっているときのあの無限を
みつめあえないもののどこにもとめるか
 
顔なきはだかの発する問とはそれだった
まはだかにさせてもその身は羽衣をまとい
まわりをめぐらせるだけの、月人だった
 
 

2019年02月06日 日記 トラックバック(0) コメント(0)