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ENGINE EYE 阿部嘉昭のブログ

視力

 
 
【視力】
 
 
夜にはだれの浪ともであわないから
きのう来の眼をはかなくこらすと
電線にくろい手巾のかずかずがみえ
ものの分布とはなにかをとわれた
とおさのさだめとこたえてはみたが
新月がめぐりをしたがえるように
わけめのなさもゆれてあるのだった
 
 

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2020年06月20日 日記 トラックバック(0) コメント(0)

 
 
【鐸】
 
 
人またひとの疎ということに
おのがみの仕組も似るなど
居にあけほろぶめしは知らず
みおろしへ無沙汰およばせ
くむ脚まなか木鐸をはさんだ
 
 

2020年06月18日 日記 トラックバック(0) コメント(0)

ことあかり

 
 
【ことあかり】
 
 
性愛が密なものとのみ捉えられ
からだがとわれるためなのか
どこをまがったのかもゆめとなり
さられたのちのぽぷら路など
まひるまのおちどとただみえて
ことあかり(造語)がながびいた
 
 

2020年06月17日 日記 トラックバック(0) コメント(0)

 
 
【鰭】
 
 
とおからずあやめのすがたで
とおくみなもがはじいるだろう
はじまりのおわりのように
ものうくゆれやまないひと鰭
ころなふくむみずかがみは
えれきてるとあさくつながり
眼やしぬことにしびれをかざる
 
 

2020年06月15日 日記 トラックバック(0) コメント(0)

副う

 
 
【副う】
 
 
だれでもないものの臀をよび
つやつやとアクリル板はきれい
おくゆきに分割空間がならび
ひとがまことの間接になってゆく
けはいの絶対もひらけひらかれ
寡言をささえる椅子がふかく副う
 
 

2020年06月14日 日記 トラックバック(0) コメント(0)

措く

 
 
【措く】
 
 
字句をC、ただ追うのではなく
よむことの期待までをも読み
まどよ肺はふくれあがっている
ぎんねずへといろがわりして
ずらみーとの髪とおなじに
おおむねさびて焦げおわれば
まどべ措くよう吸い葛などすう
 
 

2020年06月13日 日記 トラックバック(0) コメント(0)

日めくり

 
 
【日めくり】
 
 
みじかい詩を書くことをしだすと
しごとは破線めいて照りかつかげり
着たけまるごとしわもうとするが
どんな途中もかさねであってならず
つたえようと結縄してくるくおんすら
ただひめくりのくりかえしへもどす
 
 

2020年06月12日 日記 トラックバック(0) コメント(0)

歓楽

 
 
【歓楽】
 
 
いけられた花にはありえない
二人称独白体をまねるため
街のリサ、サキと会ったものだ
あなたは気落ちしたなどとかたり
たがい互いをささえあったから
つねではなく旅衣もみていた
 
 

2020年06月10日 日記 トラックバック(0) コメント(0)

刳舟

 
 
【刳舟】
 
 
もう多くとつなぐすべもない
がらすの徒手がしたいのは
つぎつぎと立ち木の密へふれて
くりぶねのとおいさわりごこちを
九尾のかぜへとひろげることだ
つたえて、うつしゆくことだ
 
 

2020年06月09日 日記 トラックバック(0) コメント(0)

ものあかり

 
 
【ものあかり】
 
 
せかいが半袖になったのを憶えている
うではかおとはちがうてりかたをするし
かかげればひとも梢をしめせるのだ
距離をおきかたるにこそからだが要る
人智など超えないがある日ひらくまどは
ひとりながらふたつめくかたちをひめ
ものあかりのそれをゆめにもできる
 
 

2020年06月08日 日記 トラックバック(0) コメント(0)

こする

 
 
【こする】
 
 
の知れない、がはずれたところ
わたしの得体は仮置きされて
アルコールの消毒液で手をこする
この一帯とさらに一帯だったりした
ながれさるおとをさせて身を揉み
半身ではひだりがながく外にあった
 
 

2020年06月07日 日記 トラックバック(0) コメント(0)