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ENGINE EYE 阿部嘉昭のブログ

御心

 
 
【御心】
 
 
夏服のポケットはうすよわいから
かがよう箔すこしをあさくいれ
わたしのいない転瞬をゆめみると
みこころのおいでました当夜も
つきひ貝のかのみぎひだりのよう
 
 

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2020年07月18日 日記 トラックバック(0) コメント(0)

日傘

 
 
【日傘】
 
 
いっせいに谿そこへ日傘をなげすてる
ゆっくりとした抛物線と回転の花が
わたしらのたかみをただ中途から
しろくうすく、ささえおよぶように
 
 

2020年07月16日 日記 トラックバック(0) コメント(0)

 
 
【瀞】
 
 
いまはむかし蒼い髪のふたりが
よどむふかしぎをつげにきた
おのれをゆめみて映りとなった
瀞もまたながれのなかの君子だと
 
 

2020年07月13日 日記 トラックバック(0) コメント(0)

夕狩

 
 
【夕狩】
 
 
わかきのようにあかくあがめきたのに
てのひらが夏ながら霜を置きだすと
やがてはすくなさをひこうとした
死もあかうせん、そのなみざかりなぜ
悼みするおりおのれまでいたむのは
 
 

2020年07月12日 日記 トラックバック(0) コメント(0)

員外

 
 
【員外】
 
 
ひと日ごとのととのった枡目に
むきのちがう自分を置いてゆくと
わたしはうきしずむ水禽のよう
けれど枡目がみなもにのみ浮くと
きづいてはみぶるいしてしまう
あおぶくれた員外も映りあう日は
 
 

2020年07月10日 日記 トラックバック(0) コメント(0)

あからむ

 
 
【あからむ】
 
 
手ではなくたおやかな骨を
さしいれてはさしぐむように
ひとのふかみをつかみおもうと
おなじ晶相にわたしもきえて
もののふくむふたつがあからむ
 
 

2020年07月08日 日記 トラックバック(0) コメント(0)

例外

 
 
【例外】
 
 
あるくたびしきいをふみわたって
これが例外だとあやめをとおる
まどおゆえに一列も列でなく
はなれてゆく、が潰れていった
瞑り目のやりかたを千かぞえれば
うしろ髪ひかれこころひとつが
みたことの例外をわずかさだめる
 
 

2020年07月07日 日記 トラックバック(0) コメント(0)

符について

 
 
【符について】
 
 
おんがくが減っていってきえた
この世さいごの余韻にくらべたら
へだてて散るひとらはまだしも
からだの音符をとおく立てあって
最弱のとどきゆくはるか理のさなか
 
 

2020年07月06日 日記 トラックバック(0) コメント(0)

夜雨

 
 
【夜雨】
 
 
たびたびの夜にきよめられ
寝台が銀の粉できらめく
ねむりではふたつのまどべへ
それぞれ寝台がはなれて
からだをゆめにけずられる
 
 

2020年07月03日 日記 トラックバック(0) コメント(0)

波頭

 
 
【波頭】
 
 
ひとに会わない繭へつつまれて
からだはゆびさすのをやめた
けれどまどべを逆換がおしよせ
ゆびがしらむのだ、どちらが
きよめのための波頭かをきそい
 
 

2020年07月02日 日記 トラックバック(0) コメント(0)