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ENGINE EYE 阿部嘉昭のブログ

下天

 
 
【下天】
 
 
最高に蜜をふくんだぶどうがとどき
房こそがかたちのひかりとそえられた
わたしらのくちるまでみとおすのだ
ゆきむしが天へいたらぬかなしみごと
 
 

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2020年10月30日 日記 トラックバック(0) コメント(0)

夜明け、マグダレナ

 
 
【夜明け、マグダレナ】
 
 
ひろがるさかいめのなさをおもえば
そらが夜よりもながいのは自明か
そらのみだらな赤裸をかんがえぬため
香油のしたたりのようにまとわれる
在ってない一糸だけをとおみした
 
 

2020年10月28日 日記 トラックバック(0) コメント(0)

飾り画

 
 
【飾り画】
 
 
ひそかに飾り画がゆめみられた
主客など一如とはうそぶけず
身につけたおまえをぬぐひかり
空き壜の底へ翅を置くいとなみも
 
 

2020年10月13日 日記 トラックバック(0) コメント(0)

はくおし

 
 
【はくおし】
 
 
かどをまがるたび秋がふえて
ただ肌となり透く影をながした
まみへの箔押しの、とつおいつに
 
 

2020年10月09日 日記 トラックバック(0) コメント(0)

背界

 
 
【背界】
 
 
背界、とこれからは書くことにした
かぎりなくゆくうつくしいせなか
くびのなくとおい馬群のゆうぐれだ
 
 

2020年10月06日 日記 トラックバック(0) コメント(0)

異風

 
 
【異風】
 
 
むらさきがかったかちいろになると
葦束にしてかかえ商秋をわたるが
みずべ衆とよばれる異風でしかなく
 
 

2020年10月05日 日記 トラックバック(0) コメント(0)

ゆあみ

 
 
【ゆあみ】
 
 
あさの湯につかり脚をくんでいると
ゆらぎつつそこ、下弦をなして
げんかいが骨折しているとみえた
まつろわぬため、まことみずからが
 
 

2020年10月02日 日記 トラックバック(0) コメント(0)