党派
【党派】
党派がたったひとりであることも
しっぱいする多数であることも
ともに顔の集合としてはうるわしい
すまほがふるえ、すがたがかがみ
よわさにみなむすばれていった
森となってゆきかうひとさえ
としよりでも生徒のなりをして
すねをきゃはんできゃしゃにつつむ
かれらのさけめがつつましいのを
かおにそろう制服と遠見した
まうえのこずえがゆらめくけれど
はるか党派はその天板にあって
IH
【IH】
ゆがんだ同心円はうつくしい
めのう、めらんこりぃの断面を
せくすへなぞらえてゆめみる
ほのおのなくなったすまいでも
うれうどうしの同心がもとめられ
もう擦ることのないマッチの
こんなてもとに玉髄がうかんだ
すくなくほそくいきていれば
ゆをわかしてゆくいとなみすら
ふじゅんなおぱーるの日録
みおろしがゆっくり電磁して
手からだ、わたしもかわりはてる
飲水
【飲水】
卓上ふかくコップのみずは
詩さながらしずかにおかれる
あなたがあふれようとしている
まみずにこそわたしらは
たえなければならない
最少の連関で最少のよるを
それもゆびのつづきとなった
なきながら黄金を呑むと
わかさならうたいあげたろうが
もどるのはもうのぞまれず
ほねのふくむほんのすこしを
飲水でてらそうとだけしていた
並行
【並行】
あのひととは並行になっていて
はなればなれにすすんでいる
そんなときにそらのみえるものだ
旅に似た慮外がわくとすれば
おなじくふかい異風にいること
ななかまどが赤の凝縮になるまで
まなこがただ中動してゆくと
さみしさにもよはくがひろがって
なんという身のしわざ、並行が
ときのへりにとおくつづいた
ふたつあることがのちも
ないことにみたされてまぶしい