他生
【他生】
ふちのまるさに
このよのにわをさげ
めぐってゆく椀がある
うまざけがきいろく透き
ゆめをゆれている
まるさはひとの不足をいう
だからこそのみくだしに
なみだのあじがするが
天上もうつっている
のどには他生をとおす
面前ことごとくおぼつかず
衆がまっとうされる
交換
【交換】
よながのけはいが
ねどこにまでふかいりし
籠と似たひとはきぜつする
うちがそとへおよび
ねすがたもたわむ
りんかくは流星をはなち
いえぬちがてらされる
詩行ごとの陰陽のように
ひとはつづいてゆく
あるべくあまれたのだ
しずくはもうないが
こうかんがいまだあって