マーク・ボランの詩(続) ENGINE EYE 阿部嘉昭のブログ

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マーク・ボランの詩(続)

 
  
キンクスの材料が揃わないので、
来週火曜、後期ロックバンド講義の開始は
T・レックス=マーク・ボランでやろうと決意、
それで木曜に訳した分に「追加」をおこなった。

「20世紀の少年」は歌詞が単純すぎて訳しにくいが
浦沢直樹のマンガ『20世紀少年』とのからみから絶対に外せず、
「fine」「good」がどんなニュアンスかを考えた。
これらを「ごきげん」「最高」と訳すことが
ぼくにはできない、というわけだ。

「ティーンエイジ・ドリーム」は
T・レックスのバラードのうちぼくが最も好きなもの。
ディランに影響を受けた象徴詩だろうが、
ニュアンスがとりわけつかみにくい。
これについては『マーク・ボラン詩集』での中川五郎訳にたいし
とりわけ批判的なポジションから訳した。

とりあえずご覧あれ



【トゥエンティース・センチュリー・ボーイ】


みんないう、「やったじゃん」
みんないう、「ピッタリだ」
みんないう、
「まるでロックンロール」

動きは猫のように、突撃は羊のように、注入は蜂のように――
そうしてぼくはおまえのおとこになりたいんだ
はっきりしたこと、きみはぼくに綴られた詩
だからぼくはきみのおとこに、きみの20世紀の玩具になるんだ

みんないう、「やったじゃん」
みんないう、「ピッタリだ」
みんないう、
「まるでロックンロール」

飛翔は飛行機のように、走行はクルマのように、跳躍は猟犬のように――
そうしてぼくはおまえのおとこになりたいんだ
はっきりしたこと、きみはぼくに綴られた詩
だからぼくはきみの玩具に、きみの20世紀のおとこになるんだ

20世紀の玩具だ、おまえのおとこになりたい
20世紀のおとこだ、おまえの玩具になりたい



【ティーンエイジ・ドリーム】


いったい「10代の夢」に何が起こったんだ

なんたること、少年たちは蟄居していた
ぼくの守護天使が電話を鳴らした
「圧力が近づいている、その叫喚が聴こえないのか」
いったい「10代の夢」に何が起こったんだ

夜の裂け目ごとに夜間禁出令が出される
あわれに老いたアル中どもは恐怖そのものを放蕩し
アホなヤク中どももバイクでぶわんぶわんブッ飛ばす
けれどいったい「10代の夢」に何が起こったんだ

かび臭い世間から出現した壊れた神
それが縞瑪瑙の少女にやさしく語り、ふれる
「彼の牢屋の鉄格子はあまりにも堅牢で取り外せない」
けれどいったい「10代の夢」に何が起こったんだ

なんとかしてくれ
ぼく自身にこそ、
「10代の夢」を起こしてくれ

オズの魔法使と青銅の泥棒が
チュートン騎士団の歯で噛み、ぼくの恋人を支配した
けれど彼女のくちびるから血の気が引いてすべてが失われた
いったい「10代の夢」に何が起こったんだ

年寄りの放浪者とボロ服の少年
彼らは哀しみのうちに錆びつく、「何てこった、馬車すらない」
けれどもローマ法王よ信じてください、
「〔出かけてないから〕ぼくの爪先はきれいです」
いったい「10代の夢」に何が起こったんだ

いまや黒は黒、白は白でしかない
天国へ逝ってしまった者もあればスターになった者もいる
不道徳な叫びなしには誰も承認すらしない
いったい「10代の夢」に何が起こったんだ
 
 

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2011年09月25日 日記 トラックバック(0) コメント(0)












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