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ザ・バンドの歌詞(2) ENGINE EYE 阿部嘉昭のブログ

ザ・バンドの歌詞(2)のページです。

ザ・バンドの歌詞(2)

 
 
さきに「ザ・バンドの歌詞」をアップしたが、
『ステージ・フライト』と『カフーツ』からの選曲が手薄だった。
それでそれぞれから一曲ずつ採って歌詞をあらたに訳出してみた。
う~ん、授業二回分の材料をそろえるつもりだったのに
三回分までふえてしまった気もする。どうしよう…





【オール・ラ・グローリー】
(『ステージ・フライト』〔70〕より)

ぼくは雨のパラパラふる音がひとり聴きたくて
きみの梯子をのぼったところ
〔屋根の下では〕きみは自分のみる夢のなかをながれているだろう
昨日はなんともたいせつな一日だった
きみは自分のしたいことをみんなやりとげたのだから。
栄光あまねくそのなかで
けれどぼくは一番目ではない物語にすぎない
背ばかり伸びた気がする、監獄を囲う壁のように

ぼくはまたたくひとつの星をもとめている
それがきみのランプに火をともし
こどもたちをみたし、ぬくもらせるだろう
彼女にとっては絵空事かもしれないが
ぼくにとってはそれが奇蹟なんだ
栄光あまねくそのなかで
けれどぼくは一番目ではない物語にすぎない
背ばかり伸びた気がする、監獄を囲う壁のように

木の葉が茶色に枯れ
地面へと散るまえに
きみは〔散るものと〕一致するだろう
そのときを待っていてごらん

ひびきだした小夜曲に耳を澄ましてみて
少女たちも片足をあげて回っている
きみの髪も陽光をはらんでかがやき
とうとう甘美な日々が訪れるだろう
そうなればきみも銀河をあるいて渡れる
栄光あまねくそのなかで
けれどぼくは一番目ではない物語にすぎない
背ばかり伸びた気がする、監獄の囲う壁のように
すべてはそれだけのこと



【リヴァー・ヒム】
(『カフーツ』〔71〕より)

淑女たちがテーブルに果物籠を置けば
紳士たちもその木陰の席につくだろう
子供たちも寓話に耳を傾けるだろう
けれど何かべつのものがそのときぼくを貫いた
曲線をえがき絶え間なく渦巻く川音が聴えたんだ
即座におんなたちもなべてそれに和し
川へのほめうたを唄いだした

信徒たちはみな川のほとりにたつ
川へのささやかな謝意を捧げんと蝟集する

急流からわきあがる水の声がこだまする
古井戸のなかの水のように跳ね返って。
だれがその場から腰をあげようとするだろうか
ひとたびその場の魅惑へ金縛りにあったなら。
暗く広く深く、川は海へとゆるやかにそそぐ
ぼくも歓喜にみち、たずさえたマンドリンをとりだして
川へのほめうたを奏ではじめた

川には舟も浮べられる、川の水を呑むこともできる
川を毒することもできるし堰をつくることもできる
魚をすなどることもできるしそこで洗濯もできる
むろんそこで泳ぐのも水死するのも自由だ、川よ永久にながれたまえ…

息子よ、おまえはまだ自身の姿を知らぬ
川面はつねにながれ透明な鏡面となりえぬからだ
息子よ、おまえはまだ自身を慰められぬ
川底の寝床にその身を安らえるまでは。
おまえが淋しい持続音を聴いたとしても
一石同様の、ありふれているものにすぎぬ
けれどあたりが薄暗くなってくるとその音もいまやしに高鳴ってくる
それこそが川へのほめうただ

信徒たちはみな川のほとりにたつ
川へのささやかな謝意を捧げんと蝟集する
 
 

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2011年10月20日 日記 トラックバック(0) コメント(0)












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