馴れ ENGINE EYE 阿部嘉昭のブログ

馴れのページです。

馴れ

 
 
札幌に引越して一週間余。いまだに慣れないのが、たとえば以前とはコンロとシンクの左右が逆になっている、など、炊事に代表される生活導線の変化だが、対応力がなかなか形成されないのが年齢というものかもしれない。ところがアタマはカラダとちがう。こっちはすぐに慣れる。昨日、詩文庫の『続・伊藤比呂美詩集』を読んでいて、苦手だった比呂美さんの詩(新鋭詩人シリーズの詩集のみ愛読していた)に「その場で慣れてゆく」自分に気づいた。説経節的「語り」、ジェンダーの混乱、草木、獣性、粘性、既存の歌からの転用、散文と詩の境界消滅、フラグメント化しないのに成立している多元構造など、仕掛けが手にとるようにわかってくるが、リズムがそのまま読者を馴致させてしまう構造の包容力が、比呂美さんの「生」と直結しているという信頼が大きい。そうか、ぼくはやはり新川和江から暁方ミセイまで連綿とつづく女性詩の雅調に魅せられていて、比呂美さんの乱調的迫力の吟味が後回しになっていたのだな。しかしいつ彼女に免疫ができたのだろう。やはり『とげ抜き 新巣鴨地蔵縁起』からか。それにしても『続・伊藤比呂美詩集』の編集は全貌明示性もしくは均衡性を排除した偏奇な編集というべきかもしれない。近々、詩集と著作単位で90年代以降の伊藤比呂美作品を体験してゆこう
 
 

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2012年04月09日 日記 トラックバック(0) コメント(0)












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