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新詩集刊行! ENGINE EYE 阿部嘉昭のブログ

新詩集刊行!のページです。

新詩集刊行!

 
 
ぼくの新詩集『みんなを、屋根に。』(思潮社)の、オンデマンド・サーヴィスが開始されました。
http://www.amazon.co.jp/%E3%81%BF%E3%82%93%E3%81%AA%E3%82%92%E3%80%81%E5%B1%8B%E6%A0%B9%E3%81%AB%E3%80%82-%E9%98%BF%E9%83%A8%E5%98%89%E6%98%AD/dp/4783733384/ref=sr_1_1?s=books&ie=UTF8&qid=1354611594&sr=1-1
高塚謙太郎さんの『カメリアジャポニカ』とともに、思潮社初のオンデマンド詩集。シリーズ名は「オンデマンド思潮社」です。書店にはならびませんが、アマゾンでご注文いただくと、即座に製本され、数日間でお手元に届く仕組みです。ちなみにぼくの詩集の定価は1500円+税(=1575円)。トータル150頁ほどなので、通常の詩集に較べ、ほぼ半額の定価設定になっています(詩集価格は一頁20円が相場)。

ほかの詩作者の呼び水ともなるオンデマンド詩集ということでぼくが目指したのは、「やわらかさ」「ふしぎ」「逸脱」「かなしさ」「すくなさ」などから愛される詩集をなすということでした。中島浩さんによるプロフェッショナルな装丁に、ペイパーバックのA5変型判があいまって、もった手ごたえもポップで簡潔です。再読をいざなう、という最終目標も、自分でいうのもヘンですが、達成できているような気がします。09年8月から11年9月までの詩篇をえらんで全体を編みました。

思潮社の編集者と詩集のオンデマンド化について相談をはじめてから一年半以上が経過しています。そのかんオンデマンド業者をどこにするか、ネット告知をどうするか、著者負担はどのくらいになるか、デザインに作り手側のイニシアティヴがとれるか、格安化などオンデマンド・メリットが確保できるか、複数アイテムによるスタートが可能かなどで、難航がつづきました。

結果、既存のオンデマンド業者ではなく、ネット告知の本体ともいうべきアマゾンのオンデマンド・サーヴィスを利用すれば、ハードルのすべてが簡単にクリアできるという発見を編集者がしてくれました。しかもオンデマンド本に通常危惧される低デザイン性にかんしては、デザイナーのデータをそのまま入稿して製本可能ということもわかり、その時点から編集者とぼくの、詩集編集が加速度的にすすみました。

もともと現行の詩集出版には以下のような問題がありました。
1) 出版にあたっては著者負担が過酷で(100頁400部の詩集なら相場が百万円)、経済的に余裕のあるひとしか詩集が出せず、評価基準と出版基準にズレの生じる傾向がある。
2) そのうえで詩集は書店売りではほとんど捌けず、結果、詩作者同士が詩集を贈呈しあう、閉鎖的な慣習ができあがってしまっている。そうした刊行詩集と評価の互酬制は外部からもみてとれ、それが「現代詩」への一般的な不信をみちびいてきた。

今回のオンデマンドでは、ぼくの場合、自己負担が編集費とデザイン費という名目で20万円です。仲介となるアマゾンのほうは、製本費と発送費を負担し、そこに薄利をくわえて定価計算がなされた次第です。在庫リスクが一切ないので、このようにシンプルな内実で済む。定価の安さの一端は、取次や書店の取り分がないからでもあります。

たぶん思潮社オンデマンド詩集がより軌道にのれば、詩集定価はもっと低減するでしょう。書店で読者を発掘することはできませんが、「現代詩手帖」の自社広告には誌面を割いてももらえます(13年1月号から載る予定)。むろん内容的な信頼を、編集者から得なければなりませんが。

いずれにせよ自己負担額が従来の七分の一程度で済む詩集のオンデマンド化によって、上記1の悪弊が断たれることにもなる。編集者や高塚さんやぼくが、「詩集の流通革命」と胸を張った気持もわかっていただけるかもしれません。つまりこれまでの一冊の詩集刊行にたいし、オンデマンドならば同額で七冊の詩集刊行が可能になるということです。

さて問題となるのは2です。ネット親和性、アマゾン親和性のひくい詩作者たちに詩集をどう読んでもらうのか。自己負担の軽減を目指す詩集オンデマンド化の趣旨からいえば謹呈ゼロが理想ですが、ぼくの場合はある程度の妥協をしました。

つまり自分で注文した本をごくわずかだけ読んでもらいたい詩作者に謹呈する例外をもうけたのです。条件は以下。「自分より年長」「リスペクトしている作者であること」「直接の面識があったり、やりとりがあったりすること」「ぼくの過去の詩集を評価いただいた経緯があること」――そうした詩作者にかぎり今日、謹呈本を発送しましたが、打ち明けますと、トータル数25部で、従来の謹呈数の六分の一といったところです。ここでも大幅な負担減となりました。ちなみに一冊の発送費はクロネコメール便で80円。

その他、同輩か年少の詩作者のかたには、オンデマンド詩集刊行の案内と簡単な趣旨を、高塚謙太郎さんと連名でしるした葉書を用意し、高塚さんと分担わけをして今日、投函しました。多くのかたがたにはその葉書が近々、お手元に届くとおもいます。ぼくや高塚さんの新詩集を読みたいというひとにはぜひともアマゾンに注文していただきたいのですが、オンデマンドによって製本された詩集の手触りを知りたい、というかたにも注文をいただければとおもっています。

以上、いろいろ勝手を書きましたが、趣旨をご理解いただくよう、よろしくおねがいします。

なお、アマゾンの画面を出して「阿部嘉昭」「高塚謙太郎」で検索しても、最初の頁の上のほうに新詩集『みんなを、屋根に。』『カメリアジャポニカ』が出てきます。ぼく自身、高塚さんの詩集はさっそくアマゾンに注文しました。
 
 

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2012年12月09日 日記 トラックバック(0) コメント(0)












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