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一穂 ENGINE EYE 阿部嘉昭のブログ

一穂のページです。

一穂

 
 
【一穂】


ひとつの空間にとって音が過重となるように
罠、と書いて、動詞「いななく」がよびだされる

なにかの警鐘をならすでもないこのひびきを
こまくを怠惰にする音へ変えることができるか

胸板なることばの無惨に、高胸坂をおきかえ
雪のかさねを視てとおす。屍幾つかというべし

よぞらに吊られているだろう脚折れの凍馬からも
機械仕掛けのかたりがしたたる。その距離が

じぶんをおもう北人のうるわしい眼路だから
空のもと酌みゆく身も、馬の透蚕となるばかり
 
 

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2013年01月08日 現代詩 トラックバック(0) コメント(0)












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