ふるい天使 ENGINE EYE 阿部嘉昭のブログ

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ふるい天使

 
 
【ふるい天使】


くらさのむこうに天秤皿がみえるということは
わたしらもまた天秤皿にのり、うかんでいるのだ

いくつかの砂がわたしらの肩から去ったおかげで
むこうの天秤皿はわずかにしずんでゆくはず

それでも平衡をくわだてる軸のみえないことが
感官のもつおそろしい躊躇か謙譲なのだろう

みえないといえばむこうの天秤皿にのる
あえかなものどももとおくにかすんでいる

かぞえあげることのできるものは百句をなすが
そうできない、どうぶつのけはいがぼやけて

規定できない視界にゆるやかに規定されてゆく
それがこころでする増幅なのかもしれない

ならびたつことに一身が数をこえてゆく契機があり
つりあうことは遠方から得られ、こちらをきめる

きめられたこちらは受け身のかなしさをただよわせ
くるべきものやことをただ春と総称してみるのだ

くらみゆくこれらの身には何いろがある
あいしあう以外の身には何いろがあるのか

きみもきっとからだをもつひとと結婚するだろう
そのからだはくらさのなかからただつかまれる

そういうことに星はふれはしない、たんにまたたき
むこうの天秤皿が星にまでちぢむ時をみている
 
 

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2013年03月22日 現代詩 トラックバック(0) コメント(0)












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