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酒場を素描する ENGINE EYE 阿部嘉昭のブログ

酒場を素描するのページです。

酒場を素描する

 
 
【酒場を素描する】


ふたつであることはそびえている
たちがれの樹のならぶ位置にそうおもう

ふいにとけだしていってわらい
おのれからわきでるものを真似てゆく

植物や事故のおんとろぎーだ、まるで
いま起きることがそのまま起こりになって

ひえている寓意に水をめぐらせる同意
ならばあらわれているかたちが二度ある

ひとつひとつをおぼえたい毛も睫毛しかない
そんなものでかこわれている古代のひとみ

やがてさかずきをめぐらす腕によって
たがいの距離にうつくしい窓ができてゆく

「理念はモナドである」「モナドに窓はない」
きみの単一を、分割不能をそれでも束にして

根雪の下をあらわしてくるわらたばだけ
いまからの不吉をのべる繋辞にすれば

わらたばでできている脳の、めのうのいろ
もつれあう一瞥はほんしつをそのようにみる

ゆううつを愛にまぜすぎるんだ、それでも
まぜものの酒に予想をはずれたうまさがある

カップのうすいへりにくちびるをよせて
からだにくるっている鋏を想像する

たがいに同期している嚥下のじかんをつうじ
「われとなれ」が呑み消されてゆくのだ
 
 

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2013年03月26日 現代詩 トラックバック(0) コメント(0)












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