筒 ENGINE EYE 阿部嘉昭のブログ

筒のページです。

 
 
【筒】


わたしがなんの同時性かは
わたしにとどこおるしかない

みつめるいまがおなじ情をもつよりも
おなじあかりにあるほうがこころはおどり

その光源が星だとすればわたしらの顔は
それじたいひかるようにもおもえる

気に入った夜の、気に入ったぬれ場だ
もつれる形象のうつりをコマおくりにして

すべてをおぼえようとすればするほど
はだかは星のひかりとなりうすれてゆく

ひとのからだが充実というのはいつわりで
そこには幾何学的な筒がつながっているだけ

筒のなかをひかりの粒がゆききして
ここに裂けているのも愛恋なのだろうか

はやさをかえて音がきえた日からは
同時性のファンファーレが聴こえてくる

ふたりである対がすでに林立をなして
まだらする疎だけがまなざされてもいる

こうしたことはひとみの悲劇というにあまり
かててくわえ振り子のように首がふられる

微分されたものはなにか死んでいる
あらわれる自動がけずられているのだ

眼はつむるのではなくつむらされる
かたむいているちからが髪のまざりで

うつり絵のなかをかなしむ滞留は
そうであるかぎり回帰をなすだろう

ふたつの岸が同時にあることの川を
からだめいたなにかの筒とうけとれば

みずからをたえず追いつづける水は
とがったうごきだから序にもとどまらない

なびきをうけるわたしがなんの本章かも
わたしだけの同時性がくりのべてゆく

すながひかりの底にたまっているのか
それがまきあがる筒のただなかで

もはやわたしはおとといだ
きのうのくるのを、待つ
 
 

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2013年03月30日 現代詩 トラックバック(0) コメント(0)












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