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ひろがる ENGINE EYE 阿部嘉昭のブログ

ひろがるのページです。

ひろがる

 
 
【ひろがる】


案ずるし生むのだからふたつに比較もなく
この身はただ広きへとひろがってゆく

まにまにうすくなりだす生にとって
きんいろは物のかくべつな輪郭だろう

それはそこにはないというしるしで
ために桃へ手ののばされる晩期もくる

なにかにむけてあげられる腕が空漠とふれ
そのしぐさこそが気のながれとなって

かざしもはかざかみを原理として恋う
ふくらみのなかにみえなくなるみずがね

この春、みおろす川にも岸がなく
ひとはそれを往来とよび不帰とよぶ

たったいまのきみをかんがえた途端
あらたまのまくらことばが頭に戴って

あかねさすからだの日がつながれば
すぎたるも棒とおもい、およんでゆく

あめいろはとおさのかくべつな厚みだろう
はじめのなやみだけがそこへ着くとき

声なくして生んだものがへただりをちぢめ
みずから膝をかかえるのに身はひろがる
 
 

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2013年04月05日 現代詩 トラックバック(0) コメント(0)












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