かすみのはしら ENGINE EYE 阿部嘉昭のブログ

かすみのはしらのページです。

かすみのはしら

 
 
【かすみのはしら】


はしらになろうとして背もたれるのだが
ひとばしらになる恥じらいもうまれる

あすかのときにはここになにもなかった
かんがえがかんがえにしずかにとける

はしらとささえあい一本の線になるとき
身のまえに手があまりだしてはゆらす

ゆらすそれにも左右のあるのが収められず
これはなんの踊りだろうと春をおもう

楽器にたいする仕種をじぶんにしている
それでもまわりは楽譜になってゆかず

ぼんやりしたひかりのなかにはさらに
ぼんやりしたひかりがにじんでいる

おんなになろうとしゃがんでみるのだが
背後のはしらをあつめるからだになる

もつれたり、もつれをひろったりする
この身の奥行きはなんの奥行きでもない

悔いが少々、でもからだには釘をうたない
あいまいにほどけることだけのおんなさ

死も少々、じぶんなりの「なり」とはなに
かたちではあるが布にかかわるかもしれない

そうしてこんどはじぶんを一枚の布にして
はしらの正面に、身の正面をあわせる

家のひとところにできたおおむかしの袷だ
着ることは着られること、のちが時計だろう

かすみということばが春になるとつかえる
せかいの前方には、かすみのはしら数本
 
 

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2013年04月14日 現代詩 トラックバック(0) コメント(0)












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