開閉
【開閉】
きたがれにすんでいたころ
うるしは海をただれた
かさごのようなかたちのくずれを
ほおかむりのなかおさめていた
おかされるものの推移にいつも
おかすものがある、あった
まなこはせりあがるうごきをみた
おおむねはおとの蘇りだった
まぶたのひらいてゆくなにかを
まぶたをひらきゆくなかにかんじた
かこけいだけでしるすあらいず
じぶんが深刻にうしなわれた
起きよととおりすがるすべてにいい
ばんぶつをよびかけの範囲にしぼった
われていった、からだを風がわれる
そんなひとつだけの抵抗だった
はまを海神のかわやとならわし
藻をあつめてゆくおこないだった
ゆびさきひとつでなす生の
ゆびにふれるかるさがくろかった
なぎをまえにしてせなかが逆光になり
おんなのもつ二分を身におぼえた
そういうことでわらいをないた
わらたばでゆこうか光束でゆこうか
じぶんをかくしおおせるたてものは
子のからだくらいにちいさかった
かこけいはなぜ生きていた頃になるのか
写真をとられればこんなにもつぶになって
あわとかそのていどのものだった
ころしをうらやんだあとは
がっこうののちはながいながい寛解
いきをすることでいきていた