同行二人
【同行二人】
やがて眼をやむみずからの詩に
はちどりの色響がまざりこむ
ひかってぼやけて時のつぎめが
とおくへのなだらかな空気にかわり
ひとはそのふくらみにおとろえて
だれでもいい色をただ放つ点だ
だから切迫するちかくをもとめる
ちかさをしいられてあえぐ肌を
それでも耳かざりが耳朶をほどけ
すわるひとのむかしへとおちるとき
スカートのその場から紋がひろがる
そんなふうに眼前もひだをつくる
みることを楯にして面となった身が
みることから退がってうすくなる
あいてにちかづきながらはなれだす
一瞥のなかの鋭気のようなもの
じぶんなどこんな紙だというと
けしてはえがく眼の厚みを問われる
眼中のけしカスにみたすべてがある
くるりまとまったそれもまなざし
じぶんをみているのよとなだめられ
ないた肩には耳かざりを置かれる
しゃりん、と店内に錫杖がひびく
同行二人としてたちあがる間を