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同行二人 ENGINE EYE 阿部嘉昭のブログ

同行二人のページです。

同行二人

 
 
【同行二人】


やがて眼をやむみずからの詩に
はちどりの色響がまざりこむ

ひかってぼやけて時のつぎめが
とおくへのなだらかな空気にかわり

ひとはそのふくらみにおとろえて
だれでもいい色をただ放つ点だ

だから切迫するちかくをもとめる
ちかさをしいられてあえぐ肌を

それでも耳かざりが耳朶をほどけ
すわるひとのむかしへとおちるとき

スカートのその場から紋がひろがる
そんなふうに眼前もひだをつくる

みることを楯にして面となった身が
みることから退がってうすくなる

あいてにちかづきながらはなれだす
一瞥のなかの鋭気のようなもの

じぶんなどこんな紙だというと
けしてはえがく眼の厚みを問われる

眼中のけしカスにみたすべてがある
くるりまとまったそれもまなざし

じぶんをみているのよとなだめられ
ないた肩には耳かざりを置かれる

しゃりん、と店内に錫杖がひびく
同行二人としてたちあがる間を
 
 

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2013年04月23日 現代詩 トラックバック(0) コメント(0)












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