観音力
【観音力】
非力というちからがある
なぎをまえに風がわかるようだ
そういうものにみちたとたん
ひとのあつみの窪みかたもわかる
だまっていることと恥ずかしさ
かんじるとこれらが並びだしている
こう綴りはじめ訓えにならぬために
かたちが色からわかれるのもみる
あがなわれるのだが救いではない
おもいえがいたものがうつむくだけだ
みたといわれる響きにそうはくがあり
かんのん力とは或る幾何ではないか
井桁のままに静止があらわれている
みあげてみたやはりそれも天心だ
(造語)うしろ耳をひかれながら
きくことがばんしょうにのこされる
やがて草をゆくのがやるせなくなって
あるく甘みに方向をおもいはじめる
あらゆるをいっときにとらえて
ないでいるあおいむぎのつらなり
点だろう、けれどじぶんがそうなら
よりおおきなひろがりもまた点だろう