辻斬り ENGINE EYE 阿部嘉昭のブログ

辻斬りのページです。

辻斬り

 
 
【辻斬り】


じぶんからスリルがきえた
うごきがくりかえしになっている

ゆきかうひとを刃でわけるが
じぶんのかたちは辻にもみたない

せめて橋へなだれこんで
水上のうすさ、そのなかにありたい

背後にかくすのが影なのだから
じっさい斬ることなど尽きている

一身のあやめをにおわせて
ただの着物にかわる日がきた

あたりいっさいの南中
ばんぶつがふかく一致している刻を

まじゅつしゃめいてまめつしてゆく
まめがないようにまほうもない

このからだは殺意の莢だ帯びている
それでも動詞でいえば葺いている

とおりぬけできるたてものだった
もう結構には屋根しかないのだ

くりかえすことで知る反響を
じぶんひとつに帯びている

スリルがきえ日の移り以上でもない
しかたなく眼のなかを閃いている

それでも乞う、ただの移りをくれ
ここからそこをからだが証してくれと

ひとをじぶんのたてものに容れて
その血のひろがりを内部にしている

これが斬ること
だれも果ててはゆかない
 
 

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2013年05月08日 現代詩 トラックバック(0) コメント(0)












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