けいとう ENGINE EYE 阿部嘉昭のブログ

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けいとう

 
 
【けいとう】


ほとんどもう筆記用具ではかいていないのに
十四五のころにできたペンだこがきえない

たてひざをひらいた脚のすぐまえで
つづったものをもやしてじぶんをささげた

とあるギタリストの流儀だ、けむりがながれ
やわらかな花びらがみえなさにまぎれる

じぶんであったものがじぶんのいまをみちて
それはだれもとおらない橋がいちばんの橋

であることに似ていた、けむりがながれ
橋は空域であるみずからに蝶を放っていた

ほとんど眉墨でひたいをかざっていないのに
十四五のころにできた異相だってきえない

じぶんとじぶん以外が浸透をくりかえすとき
そのふたつのぎりぎりの境がはりつめた

あれもじぶんなのか、あおやみどりの
おくゆきにかんじる十四五本のりょうかん

むすうのからだかもしれないとおそれても
ゆびにかたどられた胼胝のようなものはひとつ

それでもひとをふくろだとおもいかえれば
けむりがながれ、橋を幽体がわたっていった

すくなくとも十四ある、算えかたでは十五
面のはなしでもあり性のはなしでもある

あふれることは小数点以下をきりすてるのだが
きりすてたつながりものこり、憶えきらない

あいまいをおさめていたのはいつもけむりだ
おぼろなからだだったからこころをみつめ

字づらがまぎれる直前に十四五としるして
とどのつまりはひとつをもんだいにしていた

せかいはこのことを中心にまわっていたな
ひらくとてのひらもうすあかく円かった
 
 

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2013年05月27日 現代詩 トラックバック(0) コメント(0)












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