路地をみおろす ENGINE EYE 阿部嘉昭のブログ

路地をみおろすのページです。

路地をみおろす

 
 
【路地をみおろす】


まどぎわにちいさく腰をおろすくぼみがあって
からだをはめて、みることを固定しつづけた

いずこにもとおいいずこは、そこでみられた
やわらかくふくらんだ胸のひとらがゆきかった

おもいをひめているかたちのあるふかしぎに
みおろす眼はおぼえの外をながれていった

たしてとけた思いで幼年期はあふれているものだ
そこには個別がなくほんとうはひとすらいない

あったのはとおくへとほつれてゆくからだだけ
だからもののすがたもふくらみへとどまった

ひとらの場所は手足ではなく眼でさだまるが
それらがみえないと半分へと自分を奏でた

六月のおわってゆく時節をはっきりおぼえている
ものの奥にひかりの正中というべきものが走り

たちまちひとらもただの吐息のみにちぢんで
おもいとわかれた胸の線がさらにきれいだった

みおろすときれいな流動は世にあまたある
そんなゆきかいを放つ路地がぬれていた
 
 

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2013年06月19日 現代詩 トラックバック(0) コメント(0)












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