空への梯子 ENGINE EYE 阿部嘉昭のブログ

空への梯子のページです。

空への梯子

 
 
【空への梯子】


樹の果の生る樹をゆうぐれにみあげれば星をしのぐ。みのりはみぢかな生死をみなめぐっているのに、みえがたく隠れ、わずかなひかりを散らす音までひびかせては葉のかげになかば泣きやぶれている。はかられることがすでにあばかれる、かたちの性のめくれ。空にある熟れは天上へいたるみちに縊れた閉じのある、こころのあらがいをうつす。とどめた息をうれいでおもくするゆうぐれの見上げは、おんなめく桜桃にはじまり梅の実がつづいて、しびとのあけびのならぶ森もあるかもしれないが、祝言なら葉のすべてない柿で終わる。かたちにとなりのなくなる澄みをつうじ、一年はさみしく空への梯子をいなむ細みになってゆく。
 
 

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2013年07月22日 現代詩 トラックバック(0) コメント(0)












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