散文1 ENGINE EYE 阿部嘉昭のブログ

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散文1

 
 
カウンターに沿って通り側をふとながめると、グラスに口をよせるおんなの、瓜実の横顔がある。かわりつづけるふたつのひかりのまじわりにそれはおさまっている。なにかの交点にある顔は情のめくれであり、それをさらにつつむうすぎぬでもあるが、在ることは、いつもかたちではなくうつろいにこそやどっている。しろい色の幅をかえるごとに、顔のこころがむごたらしくむきだしになり、しずかなまなざしのうつりにはなじめなさもわずかに尾をひく。いきもののなかにはそうして、やはり無魂のいきものがいるものだ。それじたいではないそのつめたいふるえに、きれいだと、いつしかゆっくりと息をのんでゆく。
 
 

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2013年07月23日 日記 トラックバック(0) コメント(0)












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