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散文18 ENGINE EYE 阿部嘉昭のブログ

散文18のページです。

散文18

 
 
さよりを針魚と書いて、そのほそながさが、なみだにつうずると知れる。あおびかりする躯にたいし存外にあわい白身、くろいわたが時のくらさをただよってのち、いまさんま皿へ楽章のように回帰しているのだ。全身がなみだにぬれて勃っている。もぐって水の内を斬り、しかも海と共鳴していた、そのかたちのかなしさを、ただ単独のほつれにむかわせるためつまむ。
 
 

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2013年08月15日 日記 トラックバック(0) コメント(0)












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