メモ20
詩型によって変えられたからだが一句二句とあゆむうち、さらにきえかかってゆくとかんじられる。それら倭人のもつ光暈の感慨からは、境涯のちぢみもにじみだしてくる。やがて栃の実と口にだせば、肌までしぶく黒ずむ可変。そんなふうに一冊を横行して、一句ごと必衰のなりゆきをみる。ちいささからくる五衰を拾うだけの眼だ。いきごんで稲の世をまたぎ越そうとしても、この三歩すら倭人の歩幅でつゆけくうるむ。
詩型によって変えられたからだが一句二句とあゆむうち、さらにきえかかってゆくとかんじられる。それら倭人のもつ光暈の感慨からは、境涯のちぢみもにじみだしてくる。やがて栃の実と口にだせば、肌までしぶく黒ずむ可変。そんなふうに一冊を横行して、一句ごと必衰のなりゆきをみる。ちいささからくる五衰を拾うだけの眼だ。いきごんで稲の世をまたぎ越そうとしても、この三歩すら倭人の歩幅でつゆけくうるむ。
Author:阿部 嘉昭
評論家、詩作者、
北海道大学大学院文学研究科准教授
(映像・表現文化論講座)。
58年生、札幌市在住、東京移動の際は映画漬け。
フェイスブックでの日記を
このブログの記事欄に
ペーストしています。
・「阿部嘉昭ファンサイト」は以下。
http://abecasio.s23.xrea.com
【著作(単著のみ記載)】
『北野武vsビートたけし』(筑摩書房、94)
『野島伸司というメディア』(図書新聞、96)
『AV原論』(関西学院大学出版会、98)
『松本人志ショー』(河出書房新社、99)
『日本映画が存在する』(青土社、00)
『精解サブカルチャー講義』(河出書房新社、01)
『実戦サブカルチャー講義』(河出書房新社、02)
『椎名林檎vsJポップ』(河出書房新社、04)
『68年の女を探して』(論創社、04)
『日本映画の21世紀がはじまる』(キネマ旬報社、05)
『成瀬巳喜男』(河出書房新社、05)
『少女機械考』(彩流社、05)
『僕はこんな日常や感情でできています』(晶文社、07)
『昨日知った、あらゆる声で』(書肆山田、08)
『マンガは動く』(泉書房、08)
『頬杖のつきかた』(思潮社、09)
『日本映画オルタナティヴ』(彩流社、12)
『みんなを、屋根に。』(オンデマンド思潮社/アマゾン、12)
その他、作詞・作曲参加アルバムに、三村京子『東京では少女歌手なんて』(メタ・カンパニー、08)、同『みんなを屋根に』(キティ、10)がある。