散文24 ENGINE EYE 阿部嘉昭のブログ

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散文24

 
 
ひと雨ごとに涼気がますと肌がおぼえれば、それまであった夏がおのれに折れ曲がる猛々しい屈折熱だったと知れる。そういえばくうきには、こがねの蔓をみていた。それがこの時節ではものみなが解体され、ただのかたちになってゆく。あぶらのないせかいがはしごに林立してゆくのだ。ひとを裸に剥きたいこころも風がふいてはしご状にたかまるのだが、はだかは普遍だからそこで代理概念がみだれもする。たとえば、秋蝶はやぶれながらあやうくもつれる、というのはただの喩法だが、代理概念なら奇妙な構文をもたげさせる。一糸もまとわぬ、それによって糸になっているおんなに以前訊かれた、わたしはだれの孤独なの、と。へんな構文だが、この問によって風のむこうに糸までみえる、みえすぎておそろしい眺望が起こる。なにかのかわりに、という判断は希望以上に意外を連接させ、せかいをつめたく組みたてている。
 
 

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2013年08月28日 日記 トラックバック(0) コメント(0)












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