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散文26 ENGINE EYE 阿部嘉昭のブログ

散文26のページです。

散文26

 
 
ひとには秘密があり、これほどの対象と恋愛していたのかという箔をつけるために、みいだされた写真にも箔がかさなっているのがのぞまれる。おもかげというものはすなわち眉目ではなく、巷路をかがやかせていた窓まどのなごりだから、その都市なりの、ひややかさの分布まで頬のつかれがつたえる。くびから下のからだが枠から外れている麗容も、おんなの掌がささえた銅貨に、すぐりや身売りのひびいていた暗示ではないか。
 
 

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2013年08月29日 日記 トラックバック(0) コメント(0)












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