散文31 ENGINE EYE 阿部嘉昭のブログ

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散文31

 
 
ちいさな森をひとつとおりぬけた奥にむかしはすまっていて、てがみのなまえもすべて木蔭をちいさくぬれてきた。けれど本の小包に差出しびとの名があっても、なかに著しびとの名のない本のおさまることがあって、そとのみの名のうすさが、うちのふかい否みと羞じらいをつつんである、その着衣にまず照らされた。けっきょくはだれなのだろう。たずねくるひとのはなれたすがたが木漏れ日へひたされて半裸とみえる日もあったから、なまえの消えなど葉陰のしわざと、のちにはかなしんだ。
 
 

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2013年09月06日 日記 トラックバック(0) コメント(0)












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