散文33 ENGINE EYE 阿部嘉昭のブログ

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散文33

 
 
ただなかの野に駅を幻想する。そのものが移動するかたちのこぶりの駅舎がひとつあって、とうめいで人馬のくべつない乗客が、秋をおもう感情であふれだしてくる。それぞれがせなかに荷を負い、籠の枯草がやがての雪をよんでいる。わずかににじむむらさきがみなのひとみにあって、それが夢の市を草上にとげるだろう。とおい国の色彩論は、みえる色が眼底に先験されているとつげながら、いずれ色そのものの割合が減ってゆくさみしさにおもいめぐらす。この早い午後、すでに日もななめだ。そのななめが軌道となって、まなざしが枝状にながれさってゆき、駅前をひろがっていた人馬の骨すらきえる。
 
 

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2013年09月24日 日記 トラックバック(0) コメント(0)












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