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秘められた生10 ENGINE EYE 阿部嘉昭のブログ

秘められた生10のページです。

秘められた生10

 
 
きみの言語にはまなざすことでは填められない穴があり、それもいたましい陰裂といってよかった。まわりにはみだらな髭がはえ男性性もみてとったが、うけいれるだけの貪婪には知恵の表情がなかった。情だけがあまっている裂け目は眼にくらべなんの特異性でもない。まねることが挿されることで、この交換によりたえず面前に貨幣がよびだされた。それでも喚びだしながらみずからを喚びかえ、そのたびきみの眼孔がうつくしい量感でみちた。再生こそが陰裂というかたちの潜勢だった。ぼくは職業柄、そこからモノクロ映画の二元反復をかんがえた。ひらいて、とじるすべて――眼と陰裂と映画。それぞれはきみの言語を旋回する、そらにぞくするとおい母娘だった。きみは三つのもので、じぶんのすべてを眼瞬きしていた。
 
 

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2013年11月29日 日記 トラックバック(0) コメント(0)












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