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海鳴り ENGINE EYE 阿部嘉昭のブログ

海鳴りのページです。

海鳴り

 
 
【海鳴り】


書くことがなければ滅んでしまう。
それほどの、ただの移ろいだ、わたしは――。

書き終わりにむけてうなされたゆびは、自己嵌入的ではあれ、性愛的なあかしを凹部のきわみからたぐりよせる。だれのゆびか問うことは漂白する。穴の内部のほうが先験的で、その影ではゆびの個別がおとろえるためだ。こういえばいい、ふたたびあらわれたときがゆびなのだ、そのふたたびでは書くこととゆびとが泣きわかれ、ゆびのみを事大視すれば、書いたこともひとたび穴をみたした、ただの浪にすぎないのだと。いつでも書くことと書いたこととが似ないのが移ろいだが、これも形状的には凹凸の弁別に帰結する。かくて洞穴だらけの磯を、船上からの視線がゆききした。

わたしは滅ぶ、けれどこの形式の穴は滅ばない。
海鳴りへの讃とうけとられてもいい。
 
 

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2014年01月11日 日記 トラックバック(0) コメント(0)












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