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氷瀑 ENGINE EYE 阿部嘉昭のブログ

氷瀑のページです。

氷瀑

 
 
【氷瀑】


氷瀑やからだの涯の髪洗ふ

ふと口に出たフレーズ。季題が相互離反しているので、これは俳句ではないのかもしれない。氷瀑に洗い髪の凍結をみるのか、その像も判然としない。ここに意味があるとすれば分裂のみ、ということになるのか。

季題に好悪もないが、それでも「髪洗ふ」にはおんなの撓みがかんじられて惹かれる。廊下を突っ切ったところにある浴室では白鳥のようにくびを垂れただれかがいて、髪から滝水を爛々とこぼしているのではないか。むろんその髪はくずれつつある弦楽器でもある。

「髪洗ふ」が他動詞となる可能性はあるか。いや、洗礼者はいつもいないだろう。おとめごはひとりをきわめて、おのれの洗礼者となるのみだ。それが氷瀑ということかもしれない。
 
 

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2014年02月21日 日記 トラックバック(0) コメント(0)












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