おぎゃあ
【おぎゃあ】
及川俊哉+高塚謙太郎+松本秀文+山田亮太による「一篇の詩を三人がそれぞれ修正する四通りのケース」を送ってもらった。もちまわりによる相互改作のこころみで、すごくおもしろかった。わけても、松本秀文の詩篇「その他(おぎゃあ」を山田亮太が修正したものがぼくにとっての圧巻だった。山田修正版の作者が松本か山田かをかんがえるだけで、あたまがくらくらしてくる。そのようにして詩では作者の弁別が無効化され、そこに伝承の豊饒が代理されるとおもった。それにしても山田亮太の修正にたいするかんがえが、ぼくの推敲原理とすごく似ている。
あそびで、山田亮太修正「その他(おぎゃあ」へ、さらにぼくの修正版を添わせてみよう。
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【その他(おぎゃあ】
修正:山田亮太→阿部嘉昭
宿題のとびでている屋根で
きょうの永遠が呼ばれる
その他(おぎゃあ
馬車の馭者は
たてがみをなびかせながら
時のへらしかたを教える
その他(おぎゃあ
かつて蹄鉄であったものが
四つ足をそこに立たせる
その他(おぎゃあ
天上のうまやで
わらが馬の口に盗まれる
うまれる棘をバウンウニと呼ぶな
もろもろ雨(おぎゃあ