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歌謡 ENGINE EYE 阿部嘉昭のブログ

歌謡のページです。

歌謡

 
 
【歌謡】


かぐわしさゆえまぐわいは遊民のなかで神業とされ、土地や多神をうむもといともなったが、それら神由来へさらに歌のまざりこんだのは、まぐわいながらの口吸い、このせつなさからだった。くちびるとくちびるをあわせ舌が舌をなめ、かたみのうごきをほそくぬらしつつむとき、さきざきに鳥のかげが射す。これはことばと息とを溶かす気と水のからまりで、そのさがよりして歌となぞらえられるほかなかった。かくしどころをまじえれば多神が土をわりあらくもたげるが、それへ歌の川をながしたのはもれてしまうあえぎではなく、ことばにしてことばでないこの口のべつなるあそび、かたみからたましいを吸いだしもするくちよせだった。ひとらは枕く。閨よりもさらに木々のあいだにこそくりかえしがあるとおもい、やがては枕なしでもくちびるをひびかせて、とおい空間をつかみだす。
 
 

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2014年03月24日 日記 トラックバック(0) コメント(0)












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