三幅
【三幅】
龍媒もて咲かす常夜のぎんのはな、
ふた乳の谷あひにこまごまの実南天つぶれ、あかむらさきをしたゝらすぶらうすのひと。を筒のやうに小脇がゝへして地面の眼をまたぐと、わが女子変成のあたり、かすかにも春が生えてゐる。
わくら葉の散りはてしのち朝あさへほそきがらすの葉をおとす柳〔りう〕
〔※「わくら葉」については「ガニメデ」60号掲載、大津仁昭さんの歌を改作した〕
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拙稿「喩ではない詩の原理」の掲載された「ガニメデ」60号が、きのう10部とどいた。いわば拙著『換喩詩学』の次段階にある詩論。ただし論文の対象にしたひとにお送りすると、ほとんど手許にはのこらない…