中二階
【中二階】
階はんぶんの段でたどりつく
部屋がひがしに出っぱって
そのがらすだらけの中二階が
きみの冬のからだだった
あけがたの魔には枯れ枝で
こすられてあかい眼をさまし
柱のあることにしみじみとする
へんに浮いてへんに役立たず
階下でも階上でもない半重力に
たとえば時計がくるいきり
ねむりだって中二階に吊られる
つれこむのは画帖だけだが
鵞鳥であっても一向かまわず
ひざのうえでみな風となる
まるぼうずに葱のにおい
きみの中二階を上下させてみな
ひとのからだにまたがって
整数ではかぞえられぬ中間に
きみの以下をつなげてみるんだ
延べればたたみ四まい半が
どれだけ縦のつなになるのか
きみじしんがきみの身頃
おどり場をぬう表皮の幅だ