バルテュス
【バルテュス】
城にすむとながめがたかさをえて
まどがさらにひかりの通り道となる
ふもとへのびる丘をみおろせば
とおくしずむものが音をひびかせる
その韻のうちにもからだみながうかぶ
もっとたかさにしようと椅子へ坐らせ
股もあらわに片膝をまげてもらうと
おがくずのにおいのする身の材木性が
かたさの柔和をひろげることがある
ひみつはからだの芯などにない
おもさの変わってゆく境目に
そのものとちがうひみつだけ走る
推移とは身から出てゆく関節だ
これらをこの静止にこめねば
おのが落花をちり敷くポーズの
二頭立てでうつろう上下の可逆や
ろう引きされた顔のあかるさ
なみだぶくろがうすくきわだつ
ゆくてを落下傘がひきしめる要領で
窒息にスカートがゆらめいている
サブライム、ライム
せかいの陰裂は瀑布に属している