事故
【事故】
そこへ自分が置けるよう
ふうけいの奥は鏡をふくむが
いつしか砕けちってしまう
ゆく自転車がながされるほどの
つよい風の十字路で
市電があおられ転倒する
死者のなかにわたしもいる
ほんとうは銀色へ接触したのだ
いろのもんだいであることが
めされるわらいをかえる
せつなの死が列聖となって
その秤にかけられた者は
火薬ペーストを着ていたと
もろはだにあかしされる
きえるまでレースをおもわす模様で
ただれきらめいてみえるのは
ふうけいの裏箔がくだける窓を
しずかに舞いわらったためだ