ロト
【ロト】
けれどからだじゅうを
潮路がめぐっているから
ねむるひとの、ねがえりも
たわんで届こうとする橋だし
それじたいをみちひきする
かたちのさだめ、盈ち虧けだ
うつわのなかを上下するものが
それでハマナスをみせている
ということは砂地でもあるのだ
ひとのほとりへしたがうように
そのからだを舟にして漕ぐ
あたまからは連接する岬だから
またがるだけで肌がしろむ
極東沿岸にありえないしろさを
ねむらせたひとへちかづくのは
いつだってぬすみのおこない
このかたちは水がつくった
ハスの沼でもかんじていただろう
やがて陰茎のすがたで
へちまの恥がみのりだす