椅子らしさ
じぶんの坐りを想像しながら
これまた想像のなかで椅子らしさに坐ると
身にあらためてあらわれてくるのが
じぶんの尻や上体の前傾や両脚で、
その個体性(というより系統性)が
椅子らしさを四脚、背もたれつきのかたちにもするが、
坐ったものが雨上がりの湿った森に
よこたわっている丸太でかまわないというのが
想像に起こるほんとうのこととするなら、
椅子らしさもまたつねにむこうにありながら
すでに定型を欠いてしまっている
じつはじぶんのからだのひとつ、
からだのかたちをした可能性ということではないか
――尼ケ崎彬『ことばと身体』(勁草書房、1990)を繙読中。
日本語系認知言語学の著作としてとてもすぐれている。
読みながらおもったことを、上にメモ(つまり詩篇ではありません)