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大門以下十五句 ENGINE EYE 阿部嘉昭のブログ

大門以下十五句のページです。

大門以下十五句

 
大門をキエフと呼べり死者無数



まがつびが膝許にあり革ためん



蝶を焼く窪地をちこち心理とよ



魍魎が掠める辻に牛車千



てのひらに此世をつくり業火見る



支流、血管に似て列島の蛇身かな



鷹番の鷹への恋も円のうち



絶景は千匹の鬼つねに佇つ



思想消え焦土は瞼のごときもの



春終り一隅冷ゆる忘れ妻



憂きひとの半円とほき朝餉かな



竹愛に竹もつてする稚児の蒼



鶏詠んで鶏冠も花月むなしうす



車中この陽のなかをゆく影ふたり



犬駆つてしやがむ犬人(いぬと)をみたり視き
 

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2008年05月11日 現代詩 トラックバック(0) コメント(0)












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