禽
【禽】
ひとが水禽になっているとき
かなしい逮捕をおこなう
すなわち浴室突入だ
なんの不名誉を洗っていたのか
いちまいのはだかがめくれて
ポーズが隙をかさね
あわをこぼしている間を
もんどうむように捕捉する
まぶたとしてやすらいでいた
からだの瞑目を瞠らせるように
おられた羽根のあいだの潟を
湯の緊急がながれてもゆく
無沙汰すらわびもせずに
いっさいの油断をわからせる
衡りあううつくしい四方を
ぴきぴきとおんな吼えさせる
つかまえて即しずくをきるのが
とりへの流儀ながらわびしい
それでも透く籠にいれるものは
あらかじめ籠にしておかねば