竝
【竝】
ひとがならぶのではなく
ならぶものみなが
いつもひとになると
いいかえてみるのなら
うすあおいくうきも
ひとがたにくりぬかれ
わたしへ添ってくるから
橋上の風すらふしぎだ
このときは似ていることで
総身がしずくをこぼす
おもえば似ていることとは
そのものの内がわにある比例が
そのものとわたしとの比例に
かさねってゆく体感だった
だからそのもののなかへ
わたしがしずかにはいって
うすあおくくりぬかれる
さみしくおんなのしたにいて
うすあおいものとわたしは
有漏をなかだちにならぶ