煙
【煙】
わたしはだれの当日なのか
ともあれ当日になり会いにゆくと
うすく木々はけむりだって
わたしの現在がとわれてしまう
いちばんこたえたのは
ふくすうですかという問いで
いわれてみればわたしの当日も
かぎさかれてゆく素足のよう
けしてかぞえられないのだった
どか雪のひゆととられてもいいが
塔のながれるとおい郊外では
もはや人称のいらぬうれしさが
ただなまめいてこおりあう
当日が遅延だからあしたもなく
フレームアウトになることが
わたしへの相似をこわすのだから
けぶる当日の隅がきれいだった
さようならわたしの旅ごろも
すわる椅子のみたずさえて
ゆきの炎えるながめをさがす