袋
【袋】
あともどりすると
ゆくみちにふくろができる
ゆきみちるそらよりみおろせば
おそらくそんなこたえだろう
みずばながとまらずに
あたまがまるでさえない
わたしをわたしという
ふくろへだいじにいれて
ふらふらゆきにはこばれている
そのなかがぼやのようで
すこしはろうそくのきもちだ
ひらがなにかえられぬひとつは
日というかんじだった
どうおんいぎのかなしさ
くだもののにおいがするのも
ふるゆきのかすかとおく
梨のおんながしゃがむためだ
もうあしゅらなどいない
たいくつな日月だけが
ならぶふくろのかおをする