隙
【隙】
ゆきぞらへとみちびいてゆれる
電線のあいだをみあげている
そのあいだはめつむろうとするが
むなしく催涙性をふるうだけだ
すべてあいだは伸び縮みして
地吹雪のちりめんを織りあげる
だからすきまをとびかっているのも
ただすきまに似るものではないか
みれば並行がくったくしている
並行であることがさいなまれている
わたしたちの髪ならすじをながし
すみやかにまだらのゆきで湿られて
ゆきよりもよわいリフをする
かんがえないとかんがえながら
あるきつつおもうからだのすきま
どうじに二頭の馬に乗りうる神性が
くらいゆうべをとおざかってゆく
はなれだす軌道がそのまま世をひろげ
電線にはありえないおうぎをひらく
わたしらの迂闊な隙をおきざりに